地震と住宅の歩み
地震の多い日本では、昔から建物の地震対策に取り組んできました。
明治時代まで伝統構法によって木造住宅は建てられていましたが、1891年に起きた濃尾地震で伝統構法で建てられていた住宅の被害が甚大であったため、西洋技術である筋かいを用いた洋風木造建築の普及を目指しました。それから大地震が起きるたびに各地で大きな被害が出され、地震が及ぼす住宅への影響をデータとして集めて研究し、耐震の改善を重ねてきました。そんな地震と耐震の歴史を紹介します。
阪神・淡路大震災
阪神・淡路大震災
画像提供:神戸新聞社

地震の歴史

日本は世界的に見ても地震の影響を多く受けている国です。その影響は、地球上の大地震の20%が日本で起きているとも言われています。
日本で起きる地震の原因は「プレートがぶつかる場所の上に位置するため」と「火山活動によって起きる岩盤の破壊」が主とされています。
震度6以上※震源地MAP 1995-2023
震度6以上あった震源地(1995年~2023年)
※震度6以上…住宅の耐震性能を弱らせる地震  
※気象庁HP掲載の資料を基に作成

日本で発生した大地震

 1996年以前までに起きた大地震  (気象庁調べ、マグニチュード6.8以上を掲載)

年 度地 震マグニ
チュード
震源地最大震度被害状況
1872年浜田地震7.1島根県浜田市沖不明死者 555人
1891年濃尾地震8.0岐阜県本巣郡6 ※1死者 7,273人
1894年庄内地震7.0山形県庄内平野北部5 ※1死者 726人
1896年明治三陸地震8.2岩手県釜石町三陸沖2~3 ※1死者 21,959人
陸羽地震7.2秋田県・岩手県県境5 ※1死者 209人
1923年関東大震災7.9山梨県東部、または神奈川県西部、または相模湾6死者・行方不明者 10万5千人余
1925年北但馬地震6.8兵庫県但馬地方北部6死者 428人
1927年北丹後地震7.3京都府丹後半島北部6死者 2,912人
1930年北伊豆地震7.3静岡県伊豆半島北部・函南町丹那盆地6死者 272人
1933年昭和三陸地震8.1岩手県釜石町東方沖5死者・行方不明者 3,064人
1943年鳥取地震7.2鳥取県気高郡豊実村6死者 1,083人
1944年東南海地震7.9三重県熊野灘沖6死者・行方不明者 1,183人
1945年三河地震6.8愛知県三河湾5死者 1,961人
1946年南海地震8.0和歌山県潮岬南方沖5死者・行方不明者 1,443人
1948年福井地震7.1福井県坂井郡丸岡町6死者 3,769人
1983年日本海中部地震7.7秋田県能代市西方沖5死者 104人
1993年釧路沖地震7.5北海道釧路市南方沖6死者2名、負傷者966名
北海道南西沖地震7.8北海道奥尻郡北方沖6死者 202人 行方不明者 28人
1994年三陸はるか沖地震7.6青森県八戸市東方沖6死者3名、負傷者784名
1995年阪神・淡路大震災7.3兵庫県淡路島北部沖7死者 6,434人 行方不明者 3人
※1 1922年以前の地震の震度については気象庁の震度データベースには収録されていません。これらの地震の最大震度については、地震報告・地震年報・気象要覧(中央気象台)によるものを掲載しました。なおこの期間の震度は、微・弱・強・烈の階級で記載してあるので、これに対応する震度を、1~6におきかえて表現してあります。


 1996年以降に起きた大地震

(気象庁調べ、最大震度6弱以上を掲載 ※1…K-NET(防災科学技術研究所)調べ)  …計測震度5.5以上の観測地点が複数あった地震
年 度地 震マグニ
チュード
最大震度最大加速度(gal) ※1被害状況
1997年鹿児島県薩摩地方6.46弱977gal(鹿児島県薩摩郡宮之城)住家全壊 4棟 住家半壊 31棟
1998年岩手県内陸北部6.26弱 道路被害など
2000年新島・神津島近海6.56弱233gal(東京都新島村)住家全壊 15棟、住家半壊 20棟、住家一部破損 174棟など
新島・神津島近海6.36弱559gal(東京都新島村)
三宅島近海6.56弱210gal(東京都三宅村神着)
鳥取県西部地震7.36強1135gal(鳥取県日野町)住家全壊 435棟 半壊 3,101棟など
2001年芸予地震6.76弱852gal(広島県湯来町)住家全壊 70棟 住家半壊 774棟など
2003年宮城県沖7.16弱1571gal(宮城県石巻市牡鹿)住家全壊 2棟 住家半壊 21棟など
宮城県北部6.46強367gal(宮城県栗原市築館)住宅全壊 1,276棟 住宅半壊 3,809棟など
十勝沖地震8.06弱989gal(北海道広尾郡)住宅全壊 116棟 住宅半壊 368棟など
2004年新潟県中越地震6.871750gal(新潟県十日町市)住家全壊 3,175棟 住家半壊 13,810棟など
2005年福岡県西方沖7.06弱360gal(長崎県平戸市)住家全壊 144棟 住家半壊 353棟など
宮城県沖7.26弱564gal(宮城県栗原市築館)住家全壊 1棟 住家一部破損 984棟
2007年能登半島地震6.96強945gal(石川県富来町)住家全壊 686棟 住家半壊 1,740棟など
新潟県中越沖地震6.86強813gal(新潟県柏崎市)住家全壊 1,331棟 住家半壊 5,710棟 住家一部破損 37,633棟など
2008年岩手・宮城内陸地震7.26強4022gal(岩手県一関市)住家全壊 30棟 住家半壊 146棟など
地震時の観測最大加速度のギネス認定
岩手県沿岸北部6.86弱1186gal(岩手県盛岡市玉山)住家全壊 1棟 住家一部破損 379棟
2009年駿河湾6.56弱545gal(静岡県静岡市)住家半壊 6棟 住家一部破損 8,672棟
2011年東北地方太平洋沖地震9.072933gal(宮城県築館長)住家全壊 121,781棟 住家半壊 280,962棟 住家一部破損 745,162棟など
茨城県北部7.76強957gal(茨城県 鉾田市) 
長野県・新潟県県境付近6.76強804gal(新潟県中魚沼郡津南)住家全壊 72棟 住家半壊 427棟など
静岡県東部6.46強1076gal(静岡県富士宮市)住家半壊 103棟 住家一部破損 984棟
茨城県北部7.26強1084gal(茨城県高萩市) 
宮城県沖7.26強1496gal(宮城県石巻市牡鹿) 
福島県浜通り7.06弱746gal(茨城県北茨城市) 
福島県中通り6.46弱847gal(茨城県北茨城市) 
2013年栃木県北部6.36強1300gal(栃木県日光市栗山) 
淡路島付近6.36弱586gal(兵庫県洲本市五色町)住家全壊 8棟 住家半壊 101棟 住家一部破損 8,305棟など
2014年長野県北部6.76弱589gal(長野県北安曇郡白馬村)住家全壊 77棟 住家半壊 137棟 住家一部破損 1,626棟など
2016年熊本地震7.371362gal(熊本県益城町)住家全壊 8,668棟 住家半壊 34,718棟 住家一部破損 162,557棟など
内浦湾5.36弱976gal(北海道茅部郡南茅部町)住家一部破損 3棟
鳥取県中部6.66弱1494gal(鳥取県倉吉市)住家全壊 18棟 住家半壊 312棟 住家一部破損 15,095棟など
茨城県北部6.36弱887gal(茨城県高萩市)住家半壊 1棟 住家一部破損 25棟
2018年大阪府北部6.16弱806gal(大阪府高槻市)住家全壊 16棟 住家半壊 472棟 住家一部破損 53,751棟など
北海道胆振東部地震6.771796gal(北海道勇払郡追分町)住家全壊 156棟 住家半壊 434棟 住家一部破損 4,068棟など
2019年熊本県熊本地方5.16弱4176gal(熊本県玉名市)住家一部破損 7棟
胆振地方中東部5.86弱561gal(北海道勇払郡追分町)住家一部破損 1棟
山形県沖6.76弱653gal(山形県鶴岡市温海)住家半壊 36棟 住家一部破損 1245棟など
2021年福島県沖7.36強1432gal(福島県山元町)住家全壊 69棟 住家半壊 729棟 住家一部破損 19,758棟など
2022年福島県沖7.46強1233gal(宮城県川崎町)住家全壊 217棟 住家半壊 4,556棟 住家一部破損 52,162棟など
石川県能登地方5.46弱606gal(石川県珠洲市)住家一部破損 62棟
2023年石川県能登地方6.56強729gal(石川県珠洲市)住家全壊 30棟 住家半壊 169棟 住家一部破損 535棟など

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